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目次
中古車の下取りと購入を行う場合の仕訳の基本
所得、減価償却、消費税の3段階で行う 法人と個人事業主では仕訳方法が異なる 直接法または間接法を用いる 税込経理と税抜経理がある
法人が中古車の下取りと買い替えを行う場合
直接法で税込経理した場合 直接法で税抜経理した場合 間接法で税込経理した場合 間接法で税抜経理した場合
個人事業主が中古車の下取りと買い替えを行う場合
直接法で税込経理した場合 直接法で税抜経理した場合 間接法で税込経理した場合 間接法で税抜経理した場合
中古車の購入や下取りの税務処理に関する注意点
リサイクル預託金は有価証券扱いになる 個人事業主と法人では消費税の取り扱いが異なる 譲渡所得税の申請を忘れない
まとめ
中古車の下取りと購入を行う場合の仕訳の基本
中古車の下取りと購入を行う場合の、仕訳の基本について解説します。
所得、減価償却、消費税の3段階で行う
車の仕訳は、次の段階で行います。
- 所得の仕訳
- 減価償却の仕訳
- 消費税の仕訳
上記の3段階の仕訳が必要なのは、法人の場合でも、個人事業主の場合でも同じです。
法人と個人事業主では仕訳方法が異なる
仕訳のプロセスは同じですが、仕訳の方法は異なります。 法人が事業で使用している車を売却すると、売却による収入や支出として扱われます。 そのため、売却益や損失は事業所得の一部として計上可能です。 一方、個人事業主が事業で使用している車の売却は、「譲渡所得」として扱われます。 個人事業主にとっては、車の譲渡による所得計上が必要になることを覚えておきましょう。
直接法または間接法を用いる
減価償却には、直接法か間接法のどちらかの仕訳方法を用います。 直接法は固定資産から減価償却費を直接差し引く仕訳方法で、費用として計上できる金額を把握しやすいのがメリットです。 間接法は固定資産から差し引くのではなく、減価償却費の累計を計上する仕訳方法になります。 過去と現在を反映させるため、直接法よりも情報量が多いです。 間接法には、科目別間接控除法や、一括間接控除法などの種類もあります。
税込経理と税抜経理がある
消費税の仕訳方法には、税込経理と税抜経理の2種類があります。 税込経理は、取引ごとに消費税を計算する必要がないのが特徴です。 税抜経理は、取引金額に消費税を含めず、別の項目として仕訳する方法になります。 税込経理の方が処理に手間がかからないため、採用している企業が多いです。 ただし、取引ごとに仕訳方法を変えることはできません。 税込経理の場合は、すべての取引を税込経理で仕訳する必要があります。
法人が中古車の下取りと買い替えを行う場合
法人の仕分け方法は、4パターンです。 法人が中古車の下取りと買い替えを行う場合の仕訳方法を、直接法と間接法、税込経理と税抜経理に分けて解説します。
直接法で税込経理した場合
法人が直接法で税込経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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法人の場合は、事業主貸として借方処理しなくて済むので、わかりやすい仕訳方法と言えるでしょう。
直接法で税抜経理した場合
法人が直接法で税抜経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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売却価額の消費税分は、貸方の仮受け消費税です。 租税公課で調整が行われるため、利益が変わることはありません。
間接法で税込経理した場合
法人が間接法で税込経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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購入価格は、減価償却費を差し引かずに記入してください。 車両運搬具は、購入時の金額をそのまま借方の減価償却累計額として記入します。 直接法よりも合計金額が多くなりますが、資産や経費の金額は同じです。
間接法で税抜経理した場合
法人が間接法で税抜経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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仮受消費税と減価償却累計額の記入が必要になるため、項目数が多いです。 車両運搬具と減価償却累計額の金額は、税抜になります。 固定資産売却益は、直接法と同じです。
個人事業主が中古車の下取りと買い替えを行う場合
個人事業主の仕訳方法は、4パターンです。 個人事業主が中古車の下取りと買い替えを行う場合の仕訳方法を、直接法と間接法、税込経理と税抜経理に分けて解説します。
直接法で税込経理した場合
個人事業主が、直接法で税込経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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売却した車の取得価額から、減価償却費を差し引いて、現在の資産価格で仕訳を行うのが基本です。 個人の場合は、固定資産売却益が、事業主借という表示に変更されるので注意してください。
直接法で税抜経理した場合
個人事業主が、直接法で税抜経理をした場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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保険料は非課税項目のため、仮払消費税等の対象は、車両運搬具と支払い手数料の2つです。 仮受消費税等の対象は、車の下取り価格になります。
間接法で税込経理した場合
個人事業主が、間接法で税込経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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間接法で仕訳をする場合は、売却した車の取得価額のまま貸方仕訳を行い、減価償却累計額で借方仕訳を行うのが基本です。
間接法で税抜経理した場合
個人事業主が、間接法で税抜経理した場合は、次のような仕訳になります。
借方 |
貸方 |
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これまでの減価償却累計額を借方仕訳することで、帳簿上での金額を合わせることが可能です。
中古車の購入や下取りの税務処理に関する注意点
最後に、中古車の購入や下取りで仕訳を行う場合の注意点について解説します。
リサイクル預託金は有価証券扱いになる
リサイクル預託金は車を購入する際に支払いが必要で、有価証券として扱われるため、消費税はかかりません。 車購入時のリサイクル預託金は、預託金として借方に計上されます。 また、下取り時の返金を受ける場合は、預託金返還収入として貸方に計上するなど、適切な仕訳処理が必要です。
個人事業主と法人では消費税の取り扱いが異なる
車を買い換える場合、個人事業主と法人では消費税の扱いが異なります。 法人の事業用車両であれば、消費税の全額控除が可能です。 個人事業主も事業用車両なら消費税が控除できますが、自家用車の場合は控除の対象となりません。
譲渡所得税の申請を忘れない
個人事業主が車を下取りに出して譲渡所得が利益があった場合は、総合課税の対象となり、事業所得とは別で確定申告が必要です。 両方の手続きを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、個人事業主や法人が、中古車の購入と下取りを行った際の仕訳について解説しました。 所得、減価償却、消費税の3段階で仕訳を行うのは同じですが、個人事業主と法人では、仕訳方法が異なります。 減価償却には直接法と間接法、消費税には税込経理と税込経理があるので、仕訳方法は全部で8パターンです。 今回解説した税務処理に関する注意点を把握した上で、適切な仕訳の方法を選びましょう。
よくある質問
Q1.値引きがある場合の仕訳方法は?
A.値引きは取得価額から控除されるため、購入金額から値引き額を差し引いて計上します。
Q2.ローンで購入する場合の仕訳方法は?
A.現金一括ではなくローンで車を購入した場合、貸方の減預金が長期未払金になります。
借方には、割賦手数料のことを指す長期前払い費用が追加されます。

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