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R56MINI(クーパーS)のオイル下がり修理 なりやん

今回は、R56MINI(クーパーS)の始動時に白煙が出る、オイル消費が多いとのご依頼の修理です。まずは、オイル下がりかオイル上がりなのかですが、各気筒のコンプレッションを測り一般的な数値尚且つ4気筒のバランスが良ければ、オイル下がりと判断します。出来れば、インテークマニホールドを外してバルブの傘の部分のカーボンの溜まり具合も確認できれば確実です。

コンプレッションが多少(基準値以下)低い場合、バラつきがある場合ですが、すぐにピストンリングの交換とか、エンジンの載せ替え(シリンダーの摩耗)と判断される場合が多いですが、走行距離が少なく、オイルメンテも良く、高速道路をあまり走らない車は、オイル下がりを直した後に、高速道路を3~4時間走行するとコンプレッションが回復する場合が多いです。欧州車の場合は特に、アウトバーンをかなりのスピードで長時間走ることを前提に作られていますので、日本の環境で高速もあまり走らないと、ピストンやバルブが設計時の温度まで上昇しないため、自己浄化できなくなりカーボンが溜まりピストンリングが固着してしまう為にコンプレッションが上がらなくなり、オイル消費も増えます。

今回は、コンプレッションもそこそこでバラつきも少ないので、バルブステムシールの交換のみの修理と判断しました。出来るだけ予算を抑えたいとのことでしたので、ヘッドを下さずバルブステムシールを交換します。カムカバー、タイミンチェーンテンショナー、タイミングチェーンスプロケット、カムシャフト、スパークプラグを外します。

スパークプラグホールにエアーを入れる工具を取り付け、ピストンを下死点まで下げてからエアーをつなぎます。

 

これで、バルブスプリングを外してもバルブはシリンダーの中には落ちません。バルブスプリングを
圧縮しコッターを外し、バルブスプリングを外します。バルブステムシールプライヤーでシールを
外します、バルブのステムに挿入用のスリーブを挿し新しいバルブステムシールのリップの部分に
傷をつけないようします。リップの部分にもオイルを薄く塗り差し込みます。このMINIはバルブスプリングで
シールを押し付けるようになっていますので、軽く入ります。一般的には工具を当ててコンコンと圧入する場合が
多いです。

1気筒当たり4本のバルブがありますので、16本の交換となります。4気筒とも終了しましたら、カムシャフト
アライメントツールを取り付け慎重に組み付けます。

この画像は、クランクシャフトを位置決めする為にフライホイールを固定するピンを取り付けました。

外した部品を取り付けますが、スプロケットのみ仮締めします。カムアライメントツールを取り付けバルブタイミイングが決まりましたら本締めして、残りの部品を慎重に組み付け、試運転後異常が無ければ作業終了となります。出来れば数時間の高速走行ができれば最高なんですが。。。

今回交換部品は、バルブステムシール16個、P/Kカムカバーとなります。部品約20000円、工賃25000円とTAXほどで修理できます。朝一番始動時の調子が悪い、白煙が出る場合ご相談ください。ターボの付いていないクーパー等は、ヘッド周りがもっと複雑なため工賃が少々高くなります。

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